合理性が求められる時代だからこそ進路を本気で考える必要がある

進路コーディネーター:児保祐介


 学習塾で子供たちと接し、様々な保護者の悩みにも答えてきました。その経験を生かし、より多くの方に進路のアドバイスができればと考えています。相談をしていて普段思うことは、情報が不足しているということ。ネット社会でこれだけ情報があふれているのにどうしてでしょうか。
 例えば両親がともに公務員としましょう。そうすると、一番身近な職業が公務員となり、それ以外の仕事をよく知ることは難しいです。親も公務員以外の仕事はあまり知らないので、公務員以外の仕事に就きたいと考えるとき、いいアドバイスはもらえません。学校の先生も、基本的には公務員であり、進学先や制度の知識はあったとしても、民間での社会経験は大方ないので、突っ込んだアドバイスはもらえません。そして何より日本の場合は、みんな仕事や塾、部活に忙しいため、家族と過ごす時間が少なく、調べたり、じっくり話し合う機会が少ないということもあります。
 このような理由から、情報が不足し、適切な進路をとることが難しい状況が生じているのです。

進路を間違えて地獄を見た


 私の場合、父方の祖父が医者で、父親は医者になれず挫折したため、小さいころから医者になってほしいというプレッシャーをかけられました。今思えばこれが地獄の始まりだったと思います。

 私もそういわれたために、一応医学部の受験をしましたが、一浪しても全くダメで、自信を無くし、結局なんとなく興味のあったテレビ・映画製作関係の大学に入りました。そして一応卒業し、いざ合同就職説明会に出席してみると、そこで仕事のあまりもの過酷さを知ります。衝撃だったのが、新人のテレビ制作会社の社員の話で、「とにかく忙しくて家に帰れず、時給を計算してみたら、100円くらいになっていました…」というもの。過酷であることは薄々わかってはいましたが、正直そこまでとは思っていませんでした。その現実を知って、テレビ制作会社への就職はあきらめてしまったのですが、そんな話は大学に入る前に聞きたかったと思います。今思うと、大学に通った4年間は一体何だったのかと思います。その後大学で習ったこととはあまり関係のない仕事を転々とすることになり、地獄の迷走が始まりました。
 しかし多様な職業を経験したことで、多くの人が経験するであろう苦しみや屈辱を実体験することができました。皮肉にもそれが今の教育事業にも生きていますし,学校や会社での教育の時代遅れな点も手に取るようにわかります。20代は思い出したくもないほど不遇な時代でしたが,きっとそれは私にとって必要なことだったのだろうと思います。

私にとって正解は何だったのか

 私は数学だけは得意であったため、大学のレベルを落としてでも情報系の大学に入り、システムエンジニアを目指すべきでした。ところが高校生であった当時は、コンピューター関係に詳しい大人は周りに一人もおらず、インターネットもほとんど普及していない時代でしたから、そこに気が付くことはできませんでした。プログラミング関係は大学を出てから少し独学したのですが、これは本当に合っている仕事だと思いました。私にとってプログラミングとは、RPGゲームをやっているときのように時間を忘れられ、長時間でも苦にならないという作業でした。これが今の仕事であればと悔やまれてなりません。

 さて、進路アドバイザーの中で、私ほど地獄を見て、民間での社会経験がある人はいるのでしょうか。そう多くはないと思います。ですからその分より多くの皆さんの悩みに答えられると思います。どうかどんな小さなことでも遠慮なく相談いただければと思います。

児保祐介(こやすゆうすけ) プロフィール

1977年4月生まれ 某私立大学芸術学部卒。大学時代のアルバイト経験は塾講師,書店店員,食品工場工員,パソコン工場修理科での事務など。大学卒業後はDVDオーサリング(映画などのリモコンでの操作に関するプログラム),探偵,半導体工場工員,占い師,小売業販売員,携帯電話検査業務,イベント会社などを経験。27歳で個人学習塾を始める。現在は塾運営をしながら教材などの出版事業を行っている。高校物理教材「導出物理」著者。好きな食べ物:インドカレー,ケバブ,タコライスなどのエスニック料理 好きな芸能人:ファミコン芸人フジタ,ヒロシ(自虐ネタの),えんにち(二人組の芸人) 趣味:これといった趣味がない…昼も夜も土日も教材や本の執筆のことしか考えてないので…強いて言うならNHKの将棋トーナメントを見たり,YouTubeなどで架空請求業者や詐欺業者と電話で喧嘩している動画を見ることくらい。物理・数学成績アップ術ブログはこちら